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お金の不安は、金額の問題だと思われがちです。
あといくらあれば安心できる。そう思って貯めたり、増やしたりしてきた。
でも、いざその金額に届いても、安心は訪れない。かわりに次の不安がやってくる。
そんな経験はないでしょうか。
この本は、その理由をお金の外側ではなく、内側に探しにいきます。
著者の由佐美加子さんは、『ザ・メンタルモデル』の開発者です。
人の無意識にある内面世界を構造化して見えるようにし、そこに気づくだけで現実の出来事が自然に変わっていく——そんな手法を体系化してきた方。
本書は、その視点を「お金」という一点に絞って書き下ろしたものです。
だから、貯め方も増やし方も出てきません。
かわりに問われるのは、あなたがお金に対して無自覚に持っている思い込みと、その奥にある恐れです。
何かを「する」ことで解決するのではなく、自分の内側にあるものに「気づく」ことで、現実に起きる体験のほうが変わっていく。
この順番の逆転が、この本のいちばんのポイントです。
そしてもうひとつ。
安心や幸せは、持っているお金の量では決まらないと、この本は言います。
決めているのは、「受け取る」と「与える」のつながりのなかに、自分がどれだけ意識的にいられるか。
さらに本書には、そこに「求める」という三つめの道が示されます。
求めてもいい。そう言われて、はじめて肩の力が抜ける人は少なくないはずです。
著者の由佐さんは、野村総合研究所、リクルートを経て、グローバル企業の人事部マネジャーへ。その後、10年にわたり年間250日以上ファシリテーターとして現場に立ち、1000人を超える個人セッションから、いまの手法を組み立てていきました。TEDにも登壇しています。
机上の理論ではなく、数千人の「不都合な現実」に立ち会ってきた人の言葉です。
ページをめくるうちに、自分がずっと握りしめていたものの正体が、静かに見えてきます。
そして気づけば現実が豊かになっている。
お金の不安から解放されたい人にも、自己啓発やスピリチュアルをひととおり試して堂々巡りしてきた人にも。
その両方に、手渡したい一冊です。
掲載日 2026年9月12日